関税強化で債務削減、10年で4兆ドル
2025年8月22日付で、アメリカ議会の非党派予算分析機関・議会予算局(CBO)の最新分析によれば、トランプ大統領が導入した関税政策は、今後10年間で国家財政赤字を最大4兆ドル縮小させる可能性が示されました。
削減見込みの内訳
- プライマリー赤字の圧縮:約3.3兆ドル
- 利払い負担の軽減:約0.7兆ドル
これにより、赤字総額はトータルで4兆ドルの減少となる計算です。
背景と文脈
CBOは、もしこの関税政策が今後10年間継続された場合、インポートに課される関税から得られる収入が大幅に増え、連邦政府の借り入れニーズを抑えられると分析。また、この財政改善は、同年に共和党支持で成立した「ワン・ビッグ・ビューティフル・ビル(税制・歳出改革)」で生じる約3.4兆ドルの赤字増加を相殺する効果があるとされています(注:この件は別記事参照)。
展望と注意点
関税収入は国家財政にプラスに作用する一方で、
- 貿易相手国による報復関税
- 輸入品価格上昇による国内消費への負担
などの副作用も懸念されており、CBO自身も“効果的であるが万能ではない”との慎重な姿勢を示しています。
関税+成長で赤字圧縮を狙う戦略
今回のCBO分析は、関税による収入増によって国家財政が改善され得るという視点を支持するものであり、この財政政策の持続可能性を評価する重要な材料となります。今後、関税政策の見直しや法律的な挑戦にも注目が必要です。