2025-11-05(水)
経済

工場は冷え込む一方で「サービス業だけが頼り」になるのか

工場は冷え込む一方で「サービス業だけが頼り」になるのか
画像:イメージ

引用元: 日本、工場活動が6カ月ぶりに最悪域/NHK 報道(仮)
引用元: Japan’s factory activity contracts further in September, PMI shows/Hindustan Times

9月の新規調査によれば、日本の製造業活動(製造業PMI)が48.4にまで落ち込みました。これは成長と縮小を分ける50のラインを下回る数値で、過去6カ月で最も低い水準です。一方でサービス業PMIは53.0前後を維持しており、国内需要の支えとしてサービス部門が「堪えている」様子が見て取れます。

新規受注の落ち込みが示す先行き不安

特に新規受注指数が5カ月ぶりの低水準にまで下がっていることが目立ちます。輸出注文の減少も続いており、多くの工場が在庫調整に動いています。業界からは「予算が先行していた案件の後処理が続いているだけ」という声もあり、持続的な回復に寄与できているとは言い難い状態です。

サービス業はどこまで支えられるか

サービス業の活動は引き続き好調ですが、これにも限界があるようです。スタッフ採用はわずかに増えているものの、物価上昇や人件費の高まりを背景にコスト負担が重く、「利益を維持できるか」が焦点になっています。つまり、サービス業がエンジンとしての働きを続けるためには、消費が落ち込まないこと、支出意欲が維持されることが必要です。

輸出減少・関税リスク・金融政策の焦点

米国との関税問題やグローバル需要の低迷が製造業の重荷になっており、輸出依存型のビジネスは非常にリスクが高まってきています。加えて、日銀および政府の対応がどうなるかが注目されています。利上げ圧力や為替変動も、企業の業績見通しを左右する要因です。

工場の陰が濃くなる中、私たちの暮らしに影響が出始めていることは間違いありません。給与が横ばいであれば、物の値段だけが上がるという日常が続くかもしれない。でも、その先に希望の芽が全くないわけではないと思います。サービス業、地域消費、小さな企業がどう動くかは、次の数カ月で大きく見えてくるはずです。

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